自転車の泥はね運転は違反?道路交通法と雨の日のマナーを解説

自転車も「泥はね運転」は違反?

雨の日や雨の翌日、自転車を運転していたあなたは自分の進路上に水たまりを発見しました。さて、どうしますか? もし徒歩ならば長靴でも履いていない限りそのまま水たまりに突っ込む人はいないでしょう。でも、自転車なら、タイヤが接するだけなので突っ込んでも大丈夫! そんな安易な選択をしてしまうと、周囲の人に思わぬ迷惑をかけてしまうかもしれません。

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それ、「泥はね運転」じゃない?

ここでは、自転車と「泥はね運転」についてみていきましょう。

目次

自転車も「泥はね運転」の違反対象?

道路交通法第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

第1 ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。

上記のように、いわゆる「泥はね運転」もしくは「水はね運転」と呼ばれる行為は道路交通法で違反とされています。そして、第71条全体に係る「車両等」という中には自転車も含まれます。ですので、道路交通法上、自転車で泥はね運転をした場合、違反となり行政罰を受ける可能性があります。

また、泥はね運転で違反が認められた場合、ほとんどのケースで行政罰とともに被害者に対して賠償金を支払うことになります。何故なら、泥をはねたこと自体が問題なのではなく、はねあげた泥によって他人に迷惑を及ぼしたことが違反の主たる要因となっているからです。

そして、賠償金を支払うということの意味はとても重要です。金銭的な損失という意味以上に考えなければならないのは、交通社会上のルールを破り、他人に対して損害を与えたということです。その目線で言えば、これは交通事故と同じ意識で向き合うべき問題と言えるでしょう。

実例はあるの?

では、実際に自転車運転中に「泥はね運転」をしたという事例はあるのでしょうか? 少なくとも、新聞記事やニュースとして広く報道された例はありません。「泥はね運転」の加害者側は専ら自動車やバイクの運転者が取り上げられています。ですが、高性能な自転車や高性能な雨具が登場し、雨の日でも濡れずに自転車を運転できるようになってきた昨今、少しの気の緩みや安易な選択から泥はね運転をしてしまう可能性はゼロではありません。

雨の日の自転車運転

泥はね運転が起こるのは雨の日やその翌日が多いですが、雨の日の自転車運転は晴れの日よりも危険度が増します。

台風直撃の嵐の中であれば、自転車を運転すべきではありませんし、そもそも外出も控えた方が賢明です。ですが、小雨程度であれば防雨グッズを装備して自転車を運転するケースも多いでしょう。しかし、雨の日の運転は気を付けなければならないことがいっぱいあります。

まず、雨の日は晴れの日よりも視界が悪くなります。そのため、ライトをつけて自分の進路を照らし、周囲が自分の存在に気付きやすくする必要があります。

また、雨の日は水たまりでなくても路面が濡れているため、タイヤと路面との摩擦が少なくなります。ブレーキ自体と車輪も濡れているため、止まろうと思ってから実際に止まるまでの距離が想像よりも長くなりがちです。ですので、スピードを出し過ぎず、常に安全に止まる準備が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか? 道路交通法上、自転車でも違反となる「泥はね運転」ですが、もし法的根拠を知らなかったとしても、雨の日に危険な運転をして周囲の人に迷惑をかけてしまってはいけませんよね。「泥はね運転」が起こるような状況というのは、得てしてそれ以外の危険も潜んでいるものです。特に雨の日に、どうしても自転車を運転しなければいけないような時にはいつも以上に安全運転を心掛けなければいけません。周囲の人と自分の安全を守る運転者は、自分の進路上に水たまりを見つけた時、安易に突っ込むようなことはしないでしょう。

ウェザーニュース「雨の日は細心の注意を「泥はね運転」は道路交通法違反に」

警視庁「自転車の交通ルール」

自転車協会(BAA)|自転車の安全な使い方