こんにちは、最近サイクルセイフティプロジェクトのメンバーに交通ルールや損害賠償に関するご相談を受ける機会が多くなっています。その中でも、特に「自転車保険」の関心が高まっていることを強く感じます。
自転車は身近で便利な移動手段ですが、一歩間違えば重大事故の加害者・被害者になることもあるのが現実です。そうした事態に備えて、近年では全国各地で自転車保険の加入が義務化されつつあります。
今回は、日本国内で利用者の多い主要5社の自転車保険を比較し、どのような方にどの保険が適しているのか、具体的にご紹介します。

日常の安心は「備え」から始まります
目次
今回比較するのは、以下の5社の保険商品です。
- 損保ジャパン「サイクル安心保険」
- 楽天損保「サイクルアシスト」
- 三井住友海上「ネットde保険@さいくる」
- au損保「自転車向け保険 Bycle」
- あんしん少額短期保険「ペダルワン」
それぞれの特徴を表でまとめたうえで、ポイントを掘り下げて解説します。
保険会社 | 年間保険料(税込) | 賠償責任補償額 | 死亡・後遺障害 | 入院日額 | 示談交渉 | 特徴・備考 |
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損保ジャパン | 約1,670円~ | 最大3億円 | ー | ー | あり | 70歳以上も加入可 |
楽天損保 | 3,000円~ | 1億円 | 250万円 | 2,500円 | あり | 楽天ポイント対応 |
三井住友海上 | 3,090円~ | 最大3億円 | 1,000万円 | 6,000円 | あり | 家族型プランも充実 |
au損保 | 3,790円~ | 2億円 | 最大500万円 | 最大8,000円 | あり | 自転車搬送サービス付 |
あんしん少額短期 | 約2,100円~ | 最大1億円 | ー | ー | あり | 最小限の補償で割安 |
1. 損保ジャパン「サイクル安心保険」
大手損保ならではの安定感。保険料が比較的安価で、賠償責任補償も3億円と手厚いのが魅力です。特筆すべきは「70歳以上でも加入可能」という点で、シニア世代の自転車利用者にもおすすめです。
2. 楽天損保「サイクルアシスト」
補償の基本をおさえつつ、楽天ユーザーにとってはポイントが使える・貯まるという利便性が強みです。補償額はやや控えめな印象ですが、最低限の備えとしては十分といえます。
3. 三井住友海上「ネットde保険@さいくる」
補償内容が非常に充実しており、死亡・後遺障害や入院日額の金額も高め。個人型に加え、家族型にも対応しているため、家庭全体をカバーしたい方に向いています。
4. au損保「自転車向け保険 Bycle」
他社にはあまり見られない、搬送サービスや出張修理サービスといった「自転車利用中のトラブル」に強い保険です。事故時のケガへの補償も厚く、特に通勤・通学などで頻繁に自転車を使う方に適しています。
5. あんしん少額短期保険「ペダルワン」
保険料を抑えたい方におすすめのシンプルな保険です。賠償責任補償と示談交渉のみに絞った設計なので、「最低限の安心」を得たい人に向いています。
どの保険にも一長一短があり、「これが正解」というものはありません。以下のような観点で選ぶと、ご自身に合った保険が見つけやすくなります。
予算:最低限で構わない方は、賠償責任特化型を選んでも良い。
家族構成:家族全員で補償を受けたいなら「家族型」対応を。
自転車利用頻度:通勤・通学で毎日使う方は、事故・トラブル対応が手厚い保険を。
年齢:高齢者の方は、加入制限のない保険をチェック。
交通事故が発生した場合、被害者との示談交渉、損害賠償請求、場合によっては訴訟対応といった複雑な問題が生じます。自転車事故であっても、それは例外ではありません。
保険に加入するという行動は、自分を守るだけでなく、「加害者になったときに被害者をしっかり救済できる」という社会的責任を果たすことにもつながります。
自転車保険の加入は、義務化の波を受けて「やらないといけないこと」と捉えられがちですが、本質的には「自分と、周囲の人の安全を守るための行動」です。
どの保険がベストかは人それぞれですが、大切なのは「事故が起きる前に備えておく」こと。
ぜひ一度、ご自身やご家族のライフスタイルに照らして、最適な保険を選んでいただければと思います。