自転車の利用者にとって、ヘルメットは命を守る重要なアイテムです。しかし、最近の報道によれば、安全性に問題のある自転車用ヘルメットが市場に出回っているとのこと。消費者庁はこれに対し、注意を呼びかけています。
2025年4月7日のMRT宮崎放送の報道によれば、消費者庁は自転車用ヘルメットの中に、安全性に問題のある商品が流通しているとして注意喚起を行っています。特に、インターネット通販で購入されたヘルメットに関する相談が増加しており、例えば「通販でCEマーク付きの自転車用ヘルメットを購入したが、半年も経たないうちにあごひもが切れた」といった事例が報告されています。
でも──。
2025年4月、あるニュースが私の心に強く引っかかりました。内容は、消費者庁が発表した注意喚起。「安全性に問題のある自転車用ヘルメットが流通している」とのこと。思わず「えっ…」と声が出てしまいました。だって、安全のために被っているヘルメット自体が、安全じゃないかもしれないだなんて──。

安全なヘルメットを見分けるにはどうすればいいの?
目次
ヘルメットの安全性を示すものとして、多くの人が気にするのが「マーク」。代表的なものには、SGマーク(日本の製品安全協会)、JCF公認マーク(日本自転車競技連盟)、CEマーク(EU基準)、CPSCマーク(アメリカの安全基準)などがあります。これらのマークがあれば一定の試験をクリアしている、という目印になるのは事実です。
しかし、消費者庁に寄せられている実際の相談は、そう単純ではありません。
「CEマーク付きとされていたヘルメットを通販で購入したのに、半年であご紐が切れた」
「海外基準を満たしていると広告されていたが、実際には安全マークがついていなかった」
こうした事例は、特にインターネット通販で購入されたヘルメットに多く見られているそうです。
たしかに、オンラインショップには安くてカラフルで、デザインも可愛いヘルメットがたくさん並んでいます。でもその中には、「マークだけつけている偽装商品」や「そもそも安全性を考慮していない粗悪品」が混じっているのが現実。
自転車用ヘルメットに「法的な規格」が存在しない日本では、こうした偽物が紛れ込みやすい構造になってしまっているのです。
今回の発表では、消費者庁が「注意すべき構造的特徴」として、以下の4点を挙げています。
- 内側全面に衝撃吸収層が付いていないもの
- あご紐の幅が15mm未満、またはあご受けが付いているもの
- あご紐がヘルメット本体から取り外せる構造
- ヘルメットを被ると視野が大きく制限されるもの
どれも「当たり前のように大事」な項目に見えるけれど、実は市場にはこのどれかに当てはまってしまう製品が出回っているというのが恐ろしいところです。
「被ってるから安心」ではなく、「何を被ってるのか」が問われる時代。私たち消費者がもっと賢くならなければいけません。
では、どうすれば安心して選べるのか。私なりにまとめると、次の3つが大切だと感じています。
① 信頼できる販売元から購入する
大手スポーツ店、信頼ある国内ブランド、公式オンラインストア。これは基本中の基本。レビュー評価だけで判断せず、「販売元がきちんと責任を持てるか」で判断することが重要です。
② 国内規格のマークを確認する
SGマークやJCF公認マークは、少なくとも日本国内の安全基準に照らして評価されている証です。海外のマークも参考にはなりますが、表示だけに頼らず、実際の構造も確認しましょう。
③ 実物の構造をチェックする(できれば店頭で)
可能であれば、実際に手に取って内側のクッションや紐の作り、サイズ感などを確認しましょう。特に子ども用は慎重に。見た目や軽さだけで選ぶと、万一の事故の際に守り切れないかもしれません。
私たちはヘルメットを「ファッション」や「形だけの義務」で着用しているのではありません。命を守る“最後の盾”として選び、着けているはずです。
そして命を守るものだからこそ、その品質にはもっと敏感になっていいはず。
「安くて、可愛くて、届くのが早い」──それが全部揃っていても、もしその製品が「守ってくれないもの」だったら、本末転倒ですよね。
消費者庁の呼びかけは、決して「こわがらせるため」ではありません。「ちゃんと知って、ちゃんと選んでね」という、現場からのメッセージだと私は受け止めました。
特に最近では、子ども向けの自転車ヘルメットもカラフルで可愛いものが多く出回っていますが、その中には「見た目重視」で安全性が疎かになっているものもあります。親として「かわいいから」「本人が気に入ったから」という理由で選んでしまいがちですが、いざというときに命を守ることができるのか、そこはしっかりチェックしてあげたいところです。自分の身はもちろん、大切な家族を守るという視点も忘れずにいたいものですね。
また、SNSや動画サイトでは「おすすめヘルメット特集」なども多く紹介されていますが、それぞれの紹介元がどんな視点で評価しているのか、きちんと見極めることも大切です。インフルエンサーが「かっこいい」「軽い」と言っていても、安全基準に関する言及がない場合は注意が必要です。情報を鵜呑みにせず、「自分の安全は自分で守る」意識を持つこと。それが、安心して自転車に乗るための第一歩になると私は思います。
これを読んでくださっているあなたが、すでにヘルメットを使っているなら、ぜひ一度チェックしてみてください。マークの有無、構造、紐の状態、サイズ、視野。どれも「日常に溶け込む安全性」を支える要素です。
そして、これから買おうとしている方には、ぜひ「選ぶ力」を持っていてほしいと思います。きちんとした商品を選ぶことは、自分の命を大切にすること。そして周りの人への思いやりにもつながるのですから。
自転車は自由な乗り物です。でも、その自由は「安全」という土台があってこそ成り立ちます。
ヘルメットは、その最前線にある、あなたの小さな味方。どうか、いい選択を。