最近の週末は、スマホスタンド付きの自転車であちこち遠出するのがすっかり楽しみになっています。季節の風を感じながら、気になったカフェに立ち寄ったり、景色のいい道を記録したりするのって、まさに心のリフレッシュ。
ところが、ある日ふとSNSで目にしたニュースにびっくり。「自転車のスマホ注視が罰金最大30万円?」──え、まさか自分も該当するのでは? と背筋が寒くなりました。
調べてみると、これは令和6年11月1日に施行された道路交通法改正によるもの。スマホを“注視”するだけでも違反になる場合があるとのこと。今日は、そんな「知らないと危ない自転車の新ルール」について、自分への戒めも込めてまとめてみます。

スマホスタンドって使っちゃダメなの?
目次
結論から言うと、「スマホスタンドを付けること」自体は違反ではありません。地図アプリでルートを確認したい人には欠かせない便利アイテムですし、ロングライド中には必須とも言える装備です。
問題になるのはその使い方。
- 自転車に乗って走行中にスマホを操作したり、
- 画面を“じーっと”見続けたり、
- 通話をハンズフリーなしで行ったり、
これらがすべて道路交通法違反に該当します。
令和6年11月の改正では、特に「ながらスマホ」に関して以下のように罰則が強化されました。
- スマホ操作・注視のみ:6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金
- その状態で交通の危険を生じさせた場合:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
これはかなりインパクトのある内容ですよね。特に、「注視」という言葉がくせ者で、「画面を見続ける行為」だけで違反になる可能性があります。つまり、地図をチラ見したつもりがアウトになることも。
便利だからこそ、ルールを知って正しく使わないと、高額な代償を払うことにもなりかねません。
これはOKです。Bluetoothイヤホンなどで仲間と連絡を取りながらサイクリングするスタイルは問題ありません。
ただし、以下のような場合はアウトです。
イヤホンで音楽を聴きながら走行し、周囲の音が聞こえない
大音量で片耳だけでも遮音性が高く、周囲の安全確認が困難
つまり、ハンズフリーでも「周囲の音が聞こえないレベル」なら、安全運転義務違反になる可能性があります。
今回の改正では、「ながらスマホ」だけでなく、以下のような行為も強化されています。
- 酒気帯び運転(最大50万円の罰金)
- 酒気帯び運転を手助けした人も罰則対象
- 傘さし運転、片手運転
- 2人乗り、並走運転
- イヤホン・ヘッドホンでの周囲確認不能な状態での運転
自転車も「軽車両」として扱われる以上、クルマと同じように“命を預かる運転”だという意識が求められています。
違反を繰り返すと「自転車運転者講習」の対象に
さらに気をつけたいのが、自転車での違反を繰り返すと講習の受講義務が発生することです。
- 対象:交通の危険を生じさせる14類型の「危険行為」を、3年以内に2回以上繰り返した人
- 内容:3時間の講習、手数料6,000円
- 無視すると:5万円以下の罰金
これは、例えば「スマホ注視+傘さし運転」といった複数回の違反でも対象になる可能性があるので注意が必要です。
先日、河川敷の自転車道を走っていたときのこと。前方にいた自転車が走行中に急にスピードを落として、スマホをじっと見始めたんです。後ろを走っていた私は、慌ててブレーキ。もし車間が近かったら、接触していたかもしれません。本人はナビを見ていたようですが、それでも「注視」には変わりありません。
SNSでも同じような体験談をよく見かけます。
「前のチャリ、スマホ見ながらふらついてて本当に怖かった」
「ロード乗りながらインスタライブやってる人がいて絶句」
「自転車なのに車並みに『ながら』が目立つようになってきた」
便利な道具を活用するなら、それに見合ったマナーやリテラシーも、私たちライダー側が身につけるべき時代だと痛感しています。ので注意が必要です。
今回の法改正を踏まえて、私たちがとるべき行動を3つにまとめてみました。
1. スマホは走行中に見ない。必ず安全な場所で停止して操作を。
→ 公園のベンチやコンビニの駐輪場で見ればOK。走行中は“ナビ音声”だけで十分。
2. イヤホンは外の音が聞こえるタイプを。音楽ではなく情報優先。
→ 骨伝導イヤホンなども選択肢。耳をふさぐタイプは避けましょう。
3. 違反リスクを知る。子どもにも伝える。
→ これからは親子でサイクリングする際も、交通ルールを学び直す時代です。
私自身、「スマホスタンドを付けている=ルールを守ってる」と思っていました。でも、それは使い方によっては凶器になりうるということに気づかされました。
自転車は、車でも歩行者でもない“独特な立場”の乗り物。だからこそ、どちらにも配慮した走り方が必要です。ルールを守ることは、自分の身を守るだけでなく、すれ違う人たちの安心にもつながります。
便利なアイテムや技術を使いこなすには、それを支える「責任ある行動」がセットでなければいけません。スマホも、イヤホンも、ロードバイクもすべては私たちの使い方次第。
この記事が、誰かの「ヒヤリ」を未然に防ぐきっかけになれば幸いです。次のライドも、安全第一で楽しみましょう!