鳥取県の海沿いを東西につなぐ「鳥取うみなみロード」が、第3次ナショナルサイクルルートに指定されました。鳥取砂丘、白兎海岸、東郷湖、弓ヶ浜、浦富海岸といった景色を一本の旅としてたどれるだけでなく、山陰本線のサイクルトレインと組み合わせられるのも楽しいところです。長い距離を走り切る人にも、駅から少しだけ海風を味わいたい人にも関係のあるニュースです。
鳥取うみなみロードのニュース概要
国土交通省は2026年7月23日、「第3次ナショナルサイクルルート指定式」を開き、鳥取うみなみロードを含む6ルートを新たにナショナルサイクルルートとして指定しました。ナショナルサイクルルートは、走行環境、受入環境、情報発信、地域の取組体制などを総合的に見て、日本を代表し世界に誇れるサイクリングルートとして国が指定する制度です。
鳥取県の公式案内によると、鳥取うみなみロードは、県内を東西に横断するサイクリングルートとして平成28年度からコース選定が進められ、令和2年3月22日に全線開通しました。山陰自動車道の開通で交通量が変化した国道9号沿線を、観光や地域活性化にもつなげていく狙いがあります。
海、砂丘、温泉、港町をつなぐ152km
このルートの魅力は、名前の通り「海なみ」を感じながら鳥取を横断できることです。JR西日本の鳥取うみなみサイクルトレイン案内では、鳥取うみなみロードを全長152kmのサイクリングコースとして紹介しています。鳥取砂丘や浦富海岸のようなダイナミックな海の景色だけでなく、白兎海岸、東郷湖、弓ヶ浜、水木しげるロード、皆生温泉、港町の風景など、寄り道の候補が多いのも特徴です。
「152km」と聞くと、ロードバイクで一気に走る上級者向けに見えるかもしれません。ただ、ルート沿いには鉄道駅や観光地が点在しています。1泊2日で分ける、気になる区間だけ走る、レンタサイクルや列車を組み合わせるなど、旅の作り方を調整しやすいのが、このニュースを読み物としても面白くしている点です。
サイクルトレインで旅の入口が広がる
鳥取うみなみロードと相性がよいのが、JR山陰本線の鳥取駅から米子駅間で運行される「鳥取うみなみサイクルトレイン」です。JR西日本の案内では、2026年4月4日から土休日に運行し、12月から2月は対象外とされています。自転車をそのまま列車に載せられるため、走り始める場所や帰り方を柔軟に考えやすくなります。
利用には「tabiwa by WESTER」での有料予約が必要で、乗車券は別途必要です。案内ページでは、1名・1台の予約チケットが300円、発売は利用日1か月前10時から当日各便始発駅発車20分前までと説明されています。対象列車や予約枠は限られるため、思い立った日にどの列車でも使えるサービスではありません。出発前に公式ページで対象日、対象列車、乗降駅を確認してください。
鉄道と自転車を組み合わせる発想に関心がある方は、以前紹介した和歌山のサイクルトレインプラスの記事や、鹿児島県の指宿枕崎線サイクルトレイン実証事業の記事も参考になります。地域の鉄道が、自転車旅の行き帰りを支える存在になりつつあることが見えてきます。
安全面で確認したいこと
ナショナルサイクルルート指定は、走行環境や受入環境が一定水準で評価されたことを示します。一方で、鳥取県は公式ページで、鳥取うみなみロードは一部を除き自転車歩行者専用道ではないと説明しています。一般道を走る区間では、自動車、歩行者、観光客、生活道路を使う地域の人と同じ空間を共有します。
県の案内では、路面の矢羽根や自転車ピクトグラムの設置を進めている一方、町道陸上中央線の一部区間、西脇展望駐車場付近は通行止めで、東浜駅へは県道178号線のう回路を使うよう案内されています。通行止めや迂回路は変わることがあるため、走行前には公式ページ、RIDE WITH GPS、自治体の規制情報を確認したいところです。
サイクルトレイン利用時も準備が必要です。JR西日本は、車内で自転車と手すりを固定するゴムやベルトを利用者が用意するよう案内しています。また、ホームでは自転車に乗らないこと、黄色の点字ブロックや白線の内側で待つこと、歩行者優先で譲り合うこと、急きょ対象外となる場合に備えて輪行袋の携帯を推奨することも示しています。旅気分が高まる場面ほど、駅と列車の中での安全確認が大切です。
今後への期待
鳥取うみなみロードの指定は、鳥取の海沿いを「車で通り過ぎる場所」から「自転車で滞在しながら味わう場所」へ見せ直すきっかけになります。ナショナルサイクルルートとして国内外に発信されれば、案内表示、休憩拠点、宿泊、レンタサイクル、公共交通との接続がさらに使いやすくなることも期待できます。
同じ第3次指定では、当サイトでも雪国魚沼Golden Cycle Routeの指定ニュースを取り上げました。山の田園を走る魚沼と、日本海の水平線を追う鳥取では景色も旅の組み立ても違います。都市と自転車の関係を扱ったアムステルダムの自転車まちづくりの記事と合わせて読むと、自転車ルートは観光だけでなく、地域の移動文化を育てる仕組みでもあることが分かります。
まとめ
鳥取うみなみロードのナショナルサイクルルート指定は、鳥取の海沿いを自転車で楽しむ旅に分かりやすい入口ができたニュースです。152kmを一度に走るだけでなく、駅、温泉、砂丘、海岸、港町を切り取って楽しむこともできます。出発前には、通行止め区間、サイクルトレインの対象日と予約枠、固定ベルト、輪行袋、ヘルメットやライトを確認し、自分の脚と天候に合う距離から日本海の道を楽しみたいところです。
よくある質問
鳥取うみなみロードは誰でも走れますか?
ルート全体は長いため、初心者は一部区間を選ぶのが現実的です。一部を除き自転車歩行者専用道ではないため、一般道の走行に慣れていない場合は短い区間から計画してください。
サイクルトレインは予約なしで乗れますか?
JR西日本の案内では、tabiwa by WESTERで対象列車の予約チケットを購入する流れです。予約枠、対象列車、対象外日は変わる可能性があるため、当日の公式案内を確認してください。
電動アシスト自転車でも利用できますか?
駅によってはこ線橋の移動が必要で、安全上、重量のある電動自転車やシティサイクルなどが利用できない場合があります。対象駅と列車ごとの注意事項を事前に確認してください。
参考資料
- 国土交通省「『新・自転車アンバサダー任命式』、『第3次ナショナルサイクルルート指定式』に金子大臣・佐々木副大臣・永井政務官が出席」
- 鳥取県「鳥取うみなみロード(とっとり横断サイクリングルート)」
- JR西日本「鳥取うみなみサイクルトレイン」
情報確認日:2026年8月1日

