自転車運転者講習制度は、信号無視や一時不停止、ながらスマホなどの危険行為を繰り返した自転車利用者に、都道府県公安委員会が講習の受講を命じる制度です。青切符の導入で注目が集まる今、反則金だけでなく「繰り返した違反がどう扱われるのか」を整理します。
自転車運転者講習制度とは何か
自転車運転者講習制度は、自転車の運転に関して危険な違反行為を反復した人に対し、交通の危険を防止するための講習受講を命じる仕組みです。警察庁は、自転車の運転に関する違反行為を繰り返す人について、その危険性を改善し、将来の交通の安全と円滑を確保するための措置として、2015年6月1日に制度が施行されたと説明しています。
2026年4月1日からは、16歳以上の自転車運転者が交通反則通告制度、いわゆる青切符の対象になりました。ただし、講習制度は「反則金を納めれば終わり」という話とは別に、危険行為を繰り返した場合の再発防止として位置付けられます。青切符まわりの不審な請求への対応は、別記事の自転車 青切符詐欺に注意したい場面も確認してください。
どんな行為が対象になるのか
警察庁の案内では、対象となる自転車危険行為として、信号無視、通行禁止違反、通行区分違反、遮断踏切立入り、交差点安全進行義務違反等、交差点優先車妨害、指定場所一時不停止等、歩道通行時の通行方法違反、制動装置不良自転車運転、酒気帯び運転等、安全運転義務違反、携帯電話使用等、妨害運転などが挙げられています。
日常の自転車利用で特に見落としやすいのは、交差点での安全確認、一時停止、歩道を通るときの徐行と歩行者優先です。停止線・横断歩道・信号前でどこに止まるか迷いやすい人は、自転車の停止位置の基本を先に確認しておくと、対象行為の理解もしやすくなります。
「3年以内に2回以上」が一つの目安
警視庁は、自転車運転者講習について、一定の危険行為を3年以内に2回以上反復して行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命じるものと説明しています。都内だけの取締り等に限らないとも案内されています。
ここで重要なのは、「同じ違反だけを2回」という狭い理解にしないことです。たとえば、信号無視の取締りを受け、その後3年以内に指定場所一時不停止等で取締りを受けるような場合も、反復した危険行為として扱われ得ます。個別の判断は公安委員会や警察の手続によりますが、利用者側は「一度注意されたら、関連する危険行為をまとめて見直す」姿勢が必要です。
受講命令に従わないとどうなるか
警察庁と警視庁はいずれも、講習の受講命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金と案内しています。警視庁の案内では、講習時間は3時間、手数料は6,150円とされています。手数料や納付方法は地域で確認が必要な場合があるため、実際に通知を受けたときは、通知文と管轄警察の案内を優先してください。
講習は罰則を重く見せるためだけの制度ではありません。自分の運転の危険性を見直し、同じ違反や事故を繰り返さないための再教育です。受講命令を軽く扱うと、罰金だけでなく、その後の自転車利用にも不安を残します。
ながらスマホと酒気帯びは特に見直したい
近年の制度改正で、携帯電話使用等や酒気帯び運転等は、自転車でも強く注意すべき対象になっています。警察庁は、携帯電話使用等について、自転車による違反には点数が付されない一方で、罰則や反則金の対象となる場合があることを案内しています。酒気帯び・酒酔いに関しては、自転車の酒酔い運転と酒気帯びの違いもあわせて確認してください。
スマートフォンを見ながら走る、イヤホンで周囲の音に気づきにくい状態で走る、飲酒後に「近いから」と乗る。こうした行動は、単発でも事故につながりやすく、繰り返せば講習命令のリスクにも近づきます。通勤・通学で同じ道を走る人ほど、慣れた交差点や横断歩道で油断しないことが大切です。
今日から確認したい安全行動
- 信号、一時停止、左右確認を「車両の運転」として扱う
- 歩道を通れる場合でも、車道寄りを徐行し歩行者を優先する
- スマートフォンは停止して安全な場所に寄せてから操作する
- 飲酒後は距離に関係なく自転車に乗らない
- 家族や職場で、過去に注意された違反を共有して再発を防ぐ
横断歩道を自転車で通る場面は、歩行者優先の考え方と重なります。乗ったまま進めるか、降りて押すべきか迷う場面は、自転車 横断歩道の渡り方の記事も参考になります。
まとめ
自転車運転者講習制度は、危険行為を繰り返した人に対して、再発防止のための講習受講を命じる制度です。青切符の対象になったかどうかだけでなく、信号無視、一時不停止、歩道での歩行者妨害、ながらスマホ、酒気帯びなどを日常の運転から減らすことが重要です。安全教育の教材を家庭や職場で使いたい場合は、自転車交通安全講座の無料教材も役立ちます。
FAQ
Q. 青切符を1回受けたらすぐ講習ですか。
A. 直ちに講習と決まるわけではありません。講習制度は危険行為を反復した場合の仕組みです。ただし、一度取締りを受けた行為は、関連する交通ルールをまとめて見直すきっかけにしてください。
Q. 受講命令を無視するとどうなりますか。
A. 警察庁と警視庁は、受講命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金と案内しています。通知を受けた場合は、記載された期限や手続を確認してください。
Q. どの地域での違反が対象になりますか。
A. 警視庁は、都内だけの取締り等に限らないと案内しています。転居や通勤・通学先をまたぐ利用でも、危険行為を繰り返さないことが前提です。
出典
- 警察庁「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~」:青切符制度、自転車運転者講習制度、対象となる危険行為、受講命令違反時の罰則を確認。
- 警視庁「自転車運転者講習制度」:2026年4月10日更新。3年以内に2回以上、講習時間、手数料、受講命令違反時の罰則を確認。
- 警察庁「やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用」:自転車の携帯電話使用等に関する罰則・反則金の案内を確認。
