しまなみ海道の旅で借りるE-bikeが、地域でつくられた再生可能エネルギーで走る。そんな少し先の風景につながる事業が、今治市で動き始めています。市は2026年8月17日、「今治駅前レンタサイクル」と「今治糸山レンタサイクル(サンライズ糸山)」に太陽光発電設備と蓄電池設備を整備する事業者の公募型プロポーザルを公告しました。
今治市のレンタサイクル拠点で何が計画されているのか
今治市の公式発表によると、今回の事業名は「今治市内レンタサイクル施設への太陽光発電設備等導入事業」です。市内のレンタサイクル施設に太陽光発電設備と蓄電池設備を整備し、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして進めるものです。
対象として示されているのは、JR今治駅に近い「今治駅前レンタサイクル(i.i.imabari! Cycle Station)」と、来島海峡大橋のたもとにある「今治糸山レンタサイクル(サンライズ糸山)」の2施設です。今治市は、しまなみ海道ブルーラインを走行する貸自転車、特にE-bikeを「再生可能エネルギー100%電力」で走らせることにより、脱炭素の取り組みを国内外に発信する目的を掲げています。
ただし、2026年8月23日時点では、これはサービス開始の告知ではなく、事業者を選ぶためのプロポーザル段階です。電力供給開始は令和9年4月、つまり2027年4月と示されています。旅行者が今すぐ「再エネ充電のE-bike」を選べるという意味ではない点は、はっきり分けて見ておきたいところです。
なぜしまなみ海道のE-bikeと相性がよいのか
しまなみ海道サイクリングロードは、国土交通省のナショナルサイクルルートでも紹介されている、尾道からサンライズ糸山まで約70kmの海峡横断ルートです。橋を渡り、島を巡り、海風を感じながら進む道は、体力に合わせて区間を選べる一方、橋へのアプローチや島内の坂で脚を使う場面もあります。
そこで頼りになる選択肢がE-bikeです。しまなみジャパンのレンタサイクル案内では、E-bikeは尾道駅前、今治糸山、今治駅前に配置され、当日営業時間内に返却する車種として案内されています。電動アシスト自転車やE-bikeは、坂道を含む観光ルートを少し身近にしてくれる存在です。電動アシスト車の基本的な扱いは、電動アシスト自転車を安全に乗りこなすための確認ポイントでも整理しています。
今回の計画が面白いのは、車両そのものだけでなく、貸し出し拠点の電力まで含めて「自転車で旅する地域」を考えている点です。自転車はもともと環境負荷の小さい移動手段ですが、E-bikeの充電や施設運営の電気も地域の再エネと結びつけば、旅の背景にある物語が少し厚くなります。
利用者がいま確認できること
実際にしまなみ海道でレンタサイクルを使う人は、まず現在の貸出条件を確認しましょう。しまなみジャパンの案内では、クロスバイク・シティサイクル、電動アシスト自転車、E-bike、タンデム自転車などで、料金、貸出拠点、返却条件、対象身長が分かれています。E-bikeは当日返却、対象身長145cm以上と案内されています。
今治市の観光ページでは、サンライズ糸山について、来島海峡大橋のたもとにあり、レンタサイクル約350台のほか、レストランや宿泊施設を備えたサイクリングターミナルとして紹介されています。一方で、令和8年度の改修予定に伴い、今治糸山レンタサイクルを除く施設は2026年3月31日で一時閉館すると案内されています。利用前には、レンタサイクル窓口、休憩、食事、宿泊を同じ施設で考えてよいかを公式ページで見直してください。
観光で訪れる場合は、交通ルールの共有も大切です。海外からの利用者や同行者がいる場合は、外国人利用者に渡したい自転車交通ルール資料のように、基本ルールを言語面から補う準備も役立ちます。
安全面では「電気で走れる」より先に点検を
再エネで走るE-bikeという言葉は魅力的ですが、安全面で最初に見るべきなのは、バッテリー残量、ブレーキ、タイヤ、サドル、ライト、ヘルメットです。しまなみジャパンは、レンタサイクル利用者にはヘルメットを無料で貸し出すと案内し、サイクリング注意事項として左側通行、車間距離、安全運転、橋から一般道へ下る坂でのスピードの出しすぎ注意、夜間走行禁止を挙げています。
特にE-bikeは発進が軽く、坂道で助けになる反面、慣れていない人ほど速度感覚がずれやすくなります。写真を撮りたい橋の上、観光客の多い休憩場所、島内の細い道では、走ることより「止まれること」を優先したいところです。出発前の持ち物や装備は、自転車安全装備チェックリストも参考になります。
また、電動アシスト車はバッテリーが切れても普通の自転車として進めるとはいえ、車体は重くなりがちです。長めの区間を走るなら、返却時間、残量表示、アップダウン、休憩場所、天候の変化を出発前に見ておくと、旅の余裕が変わります。
これから注目したいポイント
今治市の公募スケジュールでは、実施要領の配布が2026年8月17日から8月28日まで、参加表明書・資格確認書類の受付が8月31日から9月10日まで、企画提案書の受付が9月24日から10月6日までとされています。その後、10月中旬に優先交渉権者の決定、11月中旬の契約締結、2027年3月12日までの工事施工、2027年4月の電力供給開始という流れです。
読者として確認したいのは、設備が入ったあとに利用者向けの案内がどう変わるかです。たとえば、E-bikeの充電方法、稼働する車両数、悪天候時や繁忙期の運用、蓄電池の使い方、施設改修中の導線などは、今後の公式情報で具体化されるはずです。再エネ100%電力という表現も、実際の供給開始後にどの範囲を指すのかを確認して読みたいところです。
まとめ
今治市のレンタサイクル施設への太陽光・蓄電池導入計画は、しまなみ海道の自転車旅を、車両、拠点、電力のつながりで見直すニュースです。まだプロポーザル段階であり、2026年8月時点で利用方法が変わったわけではありません。それでも、E-bikeで橋と島を巡る体験を、地域の脱炭素と結びつけようとしている点は、これからのサイクルツーリズムらしい動きといえそうです。
実際に訪れる人は、レンタサイクルの貸出拠点、返却条件、ヘルメット、夜間走行禁止、橋からの下り坂の速度管理を、出発前に公式ページで確認しましょう。新しい仕組みを楽しみに待ちながら、いま走れるしまなみ海道を安全に味わう。その両方を大切にしたいニュースです。
FAQ
太陽光で充電されたE-bikeは、もう利用できますか?
2026年8月23日時点では、今治市が事業者を選ぶためのプロポーザルを公告した段階です。公式スケジュールでは電力供給開始は2027年4月と示されているため、現在の貸出条件はしまなみジャパンなどの公式案内で確認してください。
対象になるレンタサイクル施設はどこですか?
今治市の公告では、今治駅前レンタサイクル(i.i.imabari! Cycle Station)と、今治糸山レンタサイクル(サンライズ糸山)の2施設が導入予定施設として示されています。
E-bikeを借りるときの安全確認は何が大事ですか?
バッテリー残量、ブレーキ、タイヤ、サドル、ライト、ヘルメットを出発前に確認しましょう。しまなみジャパンは、左側通行、車間距離、橋から一般道へ下る坂での速度注意、夜間走行禁止も案内しています。
参考資料
- 今治市「今治市内レンタサイクル施設への太陽光発電設備等導入事業」に係る公募型プロポーザルの実施について
- 今治市「糸山サイクリングターミナル(サンライズ糸山)」
- しまなみジャパン「レンタサイクルについて」
- 国土交通省 GOOD CYCLE JAPAN「しまなみ海道サイクリングロード」
情報確認日:2026年8月23日

